くつべらのきみ
「昔々、あるところにお姫様がいました。それが、わたし」 くつべらのきみは、そう語っ
「昔々、あるところにお姫様がいました。それが、わたし」 くつべらのきみは、そう語っ
おばけやしきにいこうか、とおじさんに誘われたとき、ぼくは遊園地を想像した。 行っ
帰り道におしっこしたくなるのって、妖怪のしわざなんだって。 前の年の夏、ユリは友
飛び降りてもいいかな、と夫に聞かれたとき、私の喉から変な声が出た。驚いたのか、呆れ
三十年近くも暮らした一軒家は、中身をぜんぶ運びだされて空っぽになっていた。 〈こう
普通のワンルームって聞いてたけど、壁の一面ぜんぶが鏡になってるなんて知らなかったか
通勤のバスで、毎朝、娘を追い越していく。 すれちがいざま、わたしを見つけると、手
「魔法ですか」 「魔法ですよ」 NHK出版ウエブマガジンにて連載された同名長編小説を
イシカバカバ。 イシカバカバ。 まったくほんとに、イシカバカバ。 好評いただいた『H