へびのしっぽ

おじいさんが、おうちに帰ると、玄関がふたつありました。
どっちかなと思って右側を開くと、ヘビがいて、「ハズレ」と言われました。
「ハズレだから、ぼくのシッポをさがしてきてよ」とヘビは言いました。
すべりだいの近くでなくしたらしいので、公園まで探しにいきました。
すべりだいの下にキツネが座っていました。
「ヘビのシッポをさがしてるんですけど、見ませんでしたか」とおじいさんは聞きました。
「それならこっちですよ」
そう言ってキツネはすべりだいの階段をのぼりました。
おじいさんもあとをついていくと、階段の先にドアがありました。
キツネがドアをあけると、そこはシッポ屋さんで、いろんなシッポが並べてありました。
「どんなのをおさがしですか」とキツネに聞かれて、おじいさんは困りました。
「どんなのがいいか、おしえてもらってないな」
おじいさんがいうと、キツネは「これがいいですよ」とオレンジ色のものを指差しました。
「わたしもこれつけてるんです」と言って、キツネはパタパタとオレンジのシッポをふりました。
それを買ってかえると、ヘビはとってもよろこびました。
「ほんとは青いシッポだったけど、ぼく、これ欲しかったんだ」
次の日、散歩のとちゅうでおじいさんは青色のシッポを拾いました。
いつかまたヘビがシッポを着替えたくなったときのために、
おじいさんはそれを持って帰って、たいせつにしまいこんでおきました。

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