オレンジの信号

あるとき神様がいったよ。
「信号機に好きな色をたしてあげよう。なにいろがいい?」
くーちゃんは答えたよ。
「オレンジがいいな」
「なるほど、オレンジのときはどうすればいいのかな?」
「みんな止まって、窓をあけて、こんちは!ってあいさつするの」
すると神様はそのとおりにしたよ。
「くーちゃん、たいへんだ」と、ある日、神様がいったよ。
「みんなが止まってあいさつするから、渋滞がひどくなった」
「えー、あいさつしたらみんないらいらせずに運転できると思ったのに」
「どうしようかね」と神様はいったよ。
「じゃあ、オレンジのときは、家族のことを考えるようにしよう」
神様はそのとおりにしたよ。
「くーちゃん、たいへんだよ、家族のことを考えたら、みんな早く帰りたくなって、スピードをだしすぎる」
「えー、みんな安全運転すると思ったのに」
「どうしようかね」と神様はこまったよ。
「じゃあ、オレンジ色の信号は太陽にしてあげようよ」
「なるほど、でも太陽がふたつになると暑いから、ちいさな太陽がいい」
神様はそのとおりにしたよ。
その日から、おひさまを見ると、たくさんの人が家族のことを考えるようになったんだよ。

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