くーちゃんとスケート
くーちゃんは、アイススケートをやったことがありません。
ともだちのシロクマさんが、
冷凍庫から大きな氷をもってきました。
それを手で砕いて、よっしよっしと足で踏み固めると、
いつもの公園がアイスリンクになりました。
くーちゃんはシロクマさんにスケートをおそわって、
すぐにすいすいすべれるようになりました。
せっかくたのしくすべっていたのに、
北の方角から黒色の雲がちかづいてきました。
雨のにおいもします。
たいへんだ、とシロクマさんがいいました。
雨にぬれたら、氷がとけてしまう。
どうしよう、と、くーちゃんも顔をくもらせました。
わたし、まだすべりたいよ。
するとシロクマさんは、くちぶえをふきました。
東の空から、たくさんのカモメたちが飛んできて、
アイスリンクの上にあつまり、おおきな屋根になりました。
くーちゃんとシロクマさんは、
雨ふりのあいだもスケートをたのしみました。
たっぷりすべったあとでおうちに帰ったくーちゃんは、
シロクマさんにパンのつくりかたをおしえ、
ふたりでたっぷりのパンをやきました。
できあがったパンを、さっきのカモメさんたちにあげると、
みんなおおよろこびで食べました。